幼馴染のツガイに情緒乱された⑫
心臓に悪い引きで終わった前回。さぁ、次の話はどうなるんだ...とドキドキしながら「19話」をタップした私は、目にしてはいけないものを目にしてしまった。
※当時の私の動きを再現したもの
あれ、おかしいな......フクロウが敵......???
たぶん気のせいなので、もう1回見ることにしよう。
......うん、フクロウが敵だ。
どうして、どうして......というか目が赤いし......洗脳!?乗っ取り!?と呑気に(しかし当時は本気で)考えていたあの頃に戻りたい。辛い......。
とまぁ、雑談はここまでにして、本編に進もう。
と言いたかったのだが、2人の抱える感情があまりにもクソデカなため、ブログでは上手く表現することができないのだ。
「じゃあここでブログおしまいね」とか言うのもアレなので、ここからは小説形式で書かせてもらうことをご了承して頂きたい。
では、本編スタート。
ぐらぐらと揺れる視界。不安定な足元。
出口と思わしき方向へ駆けながら、進行方向を妨げる魔獣を処理する。それの、繰り返し。
体力は、もう既に枯渇している。弓を引く手は、擦り切れて血が出ている。足は、もはや感覚がない。それでも前へ進むのは、少しでも止まったら、生存率が格段に下がるから。
そうは解っていても、消尽したスタミナが戻ることはない。喉が掻き切られるような苦しい痛みに耐えきれず、走る速さを少し緩める。刹那、「フクロウ、危ないっ!」と叫ぶ声が聞こえて、私は前へ強く押し出された。
「フラミンゴさんが、瓦礫の下敷きに!」
「応急手当を!」
酷く焦ったような、みんなの声。緊急事態だということは分かっているが、宙に浮いたようにふわふわとしていて、妙に現実味がない。自分を第三者から見ているような、そんな気分だった。そういえば、と隣にいる”あの子”の気配を探して視線を惑わす。私が求めていたものは、確かにあった。しかし、それは最悪の形であった。
乱雑に積み重なる、灰色の瓦礫の下。紅い紅い血で濡れていく地面の、その先にいるのは―――フラミンゴだった。
どうして、どうして、どうして?どうして、そんなことに?
―――私を、庇ったからだ。私のせいで、私なんかのせいで。
「絶望」の二文字が頭の中を埋め尽くす。ああ、視界が霞んできた。いっそのこと、このまま何も見えなくなってしまえばいいのに。全部、全部、もう、いやだ。
思考も、感覚も、何もかもが闇に沈んでいく中、それでもずっと光っていたのは、エマの存在だった。
暗い、暗い、暗い空間。膝を抱え込み、目を瞑って外界とシャットダウンする。
自分の殻に閉じこもって、自己嫌悪の海にゆらゆらと揺蕩う。
フラミンゴを喪うのが怖い。だって、唯一の友達で、唯一心を開くことができて、唯一安心して隣にいることができる人だから。
この気持ちは嘘じゃない―――そのはずなのに、もう一人の私が、こう囁いてくるのだ。
「ウソウソウソバカリ 自分が忘れられなくナルカラダ」
「―――私ガ、怖いカラ」
……ああ、知ってるよ!そんなこと、私が一番知っているんだ!
何もできない、何も成すことができない自分も、本音を建て前で塗り替える卑怯な自分も、全部、全部、全部、嫌いだ!!
だから、だから……もう……―――
血が、流れている。全身が痛い。骨も折れてるだろうし、擦り傷も数えきれないくらいあると思う。
それよりも、フクロウは守れたかな。無事なのかな。それだけが心配だった。
今すぐにでも立ち上がって確認したい。だけど、血が流れたからか、水の中にいるかのように意識はぼんやりとしているし、落ちてきた瓦礫の衝撃のせいか、全身が鞭を打たれたかのように痛む。そのせいで、起き上がることなんてできなかった。
意識を手放そうとしたとき、ワタシの耳を、悲痛な叫びが貫いた。
「チかヅカナイで、きらイ、キラい......!」
半狂乱になりながら、彼女は叫んだ。それをものともせずに歩み寄る少女が、一人。
「うん、知ってるよ……フクロウが、自分自身のこと......キライなの……」
血の滴り落ちる左腕を抑えながら、伝える。
「でも......ワタシは、好きだよ」
しかし、彼女は信じることなど到底できないようで、悲痛にも似た叫びを吐き出す。彼女の身から溢れ出る禍々しいオーラは、先ほどよりも濃く、深くなっていた。
「......っ!違わない。フクロウの弱さだって、好きだよ。ワタシに......何度も、優しさをくれたじゃない」
お世辞でも何でもない、これは、少女の紛うことなき本心である。気付かれないよう丁寧に隠し続けていた気持ちを、一つ一つ解いていく。
「ワタシじゃ、その苦しみを、わかって分かってあげられないけど......ずっとアナタを見てたから、いいところ、たくさん知ってるよ......」
そして、全てを受け止めるように、全てを赦すように、強く、優しく、抱きしめる。
「ずっと、ずっと......大好きだよ」
「う、ウゥ......え......」
「だから、お願い......泣かないで」
「え......エマ......?」
赤く、煌々と輝いていた彼女の瞳の光が、静かに弱くなっていく。
二人の少女は、気を失うまで、いつまでも、いつまでも、抱き締め合っていた。
この後、救援に来たツバメと共に黒柱から脱出する。輸送機で目を覚ましたフクロウは、ツバメからフラミンゴが無事だということを知らされ、フクロウは安堵の涙を浮かべる。
そしてフラミンゴの様子を見ることを渋るフクロウを、カラスは無理矢理対面させる。
そこには、ツルに膝枕をされた(!?)フラミンゴが横たわっていた。
ここからの会話がすごい。文章化するのが難しいため、画像で紹介させていただく。
「アナタの選んだ色で、ワタシを彩ってほしいな……」
「......っ!うん......!フラミンゴ、私、選ぶよ……フラミンゴに世界一、似合う色……!」
告白!?!?!?!?
いや、え???もうこれ、告白なのでは???次のストーリーは恋人馴れ初めイチャイチャ幼馴染が見られるのだろうか?期待しているぞ?
ありがとう、トワツガイ。ありがとう、幼馴染のツガイ。
ああ、始めた頃はこんなに感情を揺れ動かされるとは、思ってもいなかった。
そう、このブログのタイトルにもある通り、正に”アレ”である。
幼馴染のツガイに情緒乱された。
……最終回みたいになってしまったが、ブログはちゃんと続くのでご安心を。
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